先ほどのカフェのように、お客様にブランドを伝えるには、働くスタッフさんの接客が大きくかかわってきます。高級感、アットホームな印象、親切な印象など、お客さんに良いイメージを与えたいとき、接客が効果的です。
しかし、そのようなポジティブな印象を与える接客をするのは、簡単なことではありません。笑顔ひとつとっても、普段はあまり笑わない人が、急に笑顔で接客することは難しいでしょう。そこで活躍するのが「ユニフォーム」です。
ユニフォームの役割といえば、調理や接客に最適な「機能」と、従業員の服装の「統一」をイメージする方が多いと思います。しかし、実はもう一つ重要な役割があります。それは、お店の個性や、店員さんそれぞれの立場や役割の違いを表現することです。これを「象徴性」といいます。
例えば、コンビニやファミリーレストランなど、大手の接客業のユニフォームには個性的なデザインが多く、一般的に売られている洋服とは異なるデザインになっています。ファミリーレストランに多く見られるメイドのようなユニフォームには、「お客様のために尽くします」というメッセージを伝えています。このユニフォームを着ている従業員自身も、自らそのメッセージを理解し、そのように接客するのです。ユニフォームは、普段の自分とは違う、お店の一員としてのもう一人の自分に変身するための道具なのです。
映画やドラマ、マンガの登場人物の衣装をイメージしてみてください。それぞれのテーマによって、衣装も傾向がありますよね。テーマが冒険ならワイルド系、恋愛ならおしゃれ系、スポーツならアクティブ系な衣装。伝えたい「テーマやコンセプト」によって、登場人物の衣装は決まります。さらにそれぞれの配役の個性によって、バリエーションが生まれます。
飲食店のユニフォームを考えるときも同じです。最初に考えなくてはならないことは、あなたのお店の「コンセプト」、言い換えれば、「あなたのお店ではどんな体験を提供するか」ということです。お客様に提供したい体験に基づいたユニフォームを考え、さらにそれぞれの役割によって衣装のバリエーションを考えます。店長とアルバイトでユニフォームを変えることで、責任者をわかりやすくする。ソムリエのように専門的な知識や資格を持った人は、特別な衣装を着る。身にまとうものによって、それに沿った役割を演じやすくなります。
これが、従業員をブランドの表現者に変えるというユニフォームの重要な役割なのです。
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